第265章

川崎正弘の言葉がまたしても野呂栞の神経を逆なでし、怒りが一気に噴き上がる。歯を食いしばって吐き捨てた。

「私が嫁に行けるかどうか、あんたに何の関係があるのよ。海のそばにでも住んでるの? 余計なお世話が過ぎるわ」

川崎正弘は目をこすり、威圧されてしまったのか、それ以上は口をつぐんだ。

そばに座っていた島宮奈々未たちも、巻き添えを食うのは御免だとばかりに黙り込む。

それから三十分後。

結婚式は仕切り直され、今度は何事もなく進んだ。とはいえ、恥はもう十分に晒したあとだった。

式が終わると、川崎霊子は体調不良を理由に先に引き上げ、林川天一が残って来客の相手をする。

島宮奈々未は興味半分...

ログインして続きを読む